Realtek NIC利用時のESXi 6.5インストール方法メモ
先日、Windows7にVMware Workstation Proを入れていた自宅のデスクトップ機のWindowsを潰して、ESXi 6.5を導入しました。この際にNICがRealtekであったため少々手こずったため、そのメモです。
なお同様に困っている人は多くいますので、そんなに目新しい記事ではありません……作業の際は、以下の雑木林さんの記事を参考にさせて頂きました。
ちなみにESXiというのはVMware vSphere Hypervisorに含まれるコンポーネントのひとつでしかない(らしい)ので、本来は「VMware vSphere Hypervisor(ESXi)」と書くのが正しいようです。が、いちいち書くと長いので、以下単に「ESXi」と書きます。
環境
- マザーボード:ASUS B85M-E
- NIC:Realtek 8111F
全体の流れ
基本的に、VMware PowerCLIを使ってRealtekのドライバ入りISOファイルを作る。という流れになります。
- BIOS設定でIntel VT-xを有効にする
- vmwareアカウントを作成し、ライセンスキーをメモっておく。
- PowerShellをアップデートし、PowerShellの設定を変更する
- VMware PowerCLI 6.5をダウンロードし、インストールする。
- インストール後、PATHの設定をおこなう
- ESXi-Customizer-PSでISOファイルを作成する
- 作成したISOファイルをCD-Rに焼いて、ブートする
まずはじめに、BIOSでIntel Virtualization Technologyを「Enabled」に設定しておきましょう。
vmwareアカウントの作成とライセンスキーの入手
ESXiの利用は周知のとおり無償ですが、ダウンロードにはVMwareアカウントを登録する必要があります。またESXiは無償とはいえライセンスキーを登録する必要があるため、こちらのキーの入手が必要です。
2017年11月現在ではESXi6.5は以下のリンクでしたが、コロコロとリンク先は変わるようなので、「vSphere Hypervisor download」などで検索してたどり着くとよいでしょう。
PowerShellのアップデートと設定変更
バージョンにもよりますが、Windows7ではPowerShell 2.0がデフォルトとなっています。これをPowerShell 4.0以上へとアップデートします。
PowerShellのバージョンは、$PSVersionTable と入力して表示される「PSVersion」で確認できます。これはWindows10なので、PowerShellは5.1です。
PowerShellをアップデートする場合、Windows Management Framework 4.0をインストールします。
PowerShellの設定変更
PowerShellはデフォルトでは安全側に倒されており、任意の.ps1ファイルが実行できないRestrictedモードになっています。
PS C:\Users\ozuma> Get-ExecutionPolicy Restricted
これを一時的にUnrestrictedモードへ変更します。この作業には管理者権限が必要なため、PowerShellは右クリックして「管理者として実行」した上で作業します。
> Set-ExecutionPolicy Unrestricted
この設定は危険を伴うため、作業が終わったら最後にRestrictedに戻しておくようにしてください。
> Set-ExecutionPolicy Restricted
VMware PowerCLI 6.5のインストール
VMwareの各種PowerShellツール、PowerCLIをダウンロードします。こちらのダウンロードもvmwareアカウントが必要です。
上記のリンクも変わる可能性があるため、PowerCLIで検索してたどり着くと良いでしょう。
インストール自体は簡単で、ダウンロードしたインストーラを実行するだけです。
PATHの設定
PowerCLIのインストール後に指示されますが、PATHを通す設定が必要です。私の場合は以下となりました。
> $p = [Environment]::GetEnvironmentVariable("PSModulePath") > $p += ";C:\Program Files (x86)\VMware\Infrastructure\vSphere PowerCLI\Modules\" > [Environment]::SetEnvironmentVariable("PSModulePath",$p)
参考:https://blogs.vmware.com/PowerCLI/2015/03/powercli-6-0-introducing-powercli-modules.html
ESXi-Customizer-PSのインストール
続いて、実際にRealtekドライバを取り込んでESXiのインストールディスクISOファイルを作成する、ESXi-Customizer-PSをインストールします。
こちらの「Download latest version」よりダウンロードします。こちらは物自体はps1スクリプトひとつだけですので、インストールは不要です。適当な作業ディレクトリに置けばよいです。
ISOファイルの作成
先ほどのESXi-Customizer-PSで、Realtekドライバ入りのISOファイルを作成します。まずVMware PowerCLIを起動し、先ほどESXi-Customizer-PSのps1ファイルを置いた場所へと移動します。
続いて以下のコマンドを実行します。
PowerCLI C:\Users\ozuma\local\vmware> .\ESXi-Customizer-PS-v2.5.1.ps1 -v65 -vft -load net55-r8168
- -v65:ESXi 6.5のISOを作成
- -vft:詳細よく分からない。ESXi-Customizer-PS利用で依存関係をうまくやってくれる設定らしい(?)
- -load:組み込むドライバを指定
- net55-r8168:Realtek 811Fはこのドライバに入っているため、これを指定します
これを実行すると、少々時間がかかりますがISOファイルが作成されます。あとはこのISOファイルをCD-Rに焼いてブートし、通常通りESXiのインストールをおこなうだけです。