Windows NT 4.0 のセットアップディスク作成

2013年にもなって今さらWindows NT 4.0も無いだろと思うのだが、今ココで書いておかないと世界から忘れ去られたロストテクノロジーになっちゃいそうなのでメモしておく。

概要

先日我が家からWindows NT 4.0 Workstationのディスクが発掘されたので、Parallels Desktop 8 for Macにインストールしてみようと思った。CDをイメージ化してCDブートさせればいいだけ……と思ったら、エラーでCDブートできない。うーむ困ったと思ったら、そういえばCD-ROMの中にブートフロッピーを作るツールが入ってたなと思い出した。

Windows NT 4.0は、本来はパッケージ内にCD-ROMとセットアップ用のフロッピーディスクが同梱されており、このセットアップディスクのFDでマシンを起動してCD-ROMからインストールする。ただし、CD-ROMの中にセットアップディスクの作成ツールが入っているので、FDを無くしたり壊してしまっても再作成ができる。もちろん仮想化環境上でもだいじょうぶ。

ということで、Parallels Desktop 8 for Mac上のWindows 2000で、このフロッピーディスク作成のところからやってみて、NT 4.0をインストールする手順をまとめておく。

Windows NT セットアップ フロッピー ディスクの作成方法

ディスク作成の方法は、NT 4.0のCD-ROMの中、\i386\setup.txt に書かれている。

MS-DOS、Windows 3.1、Windows 95の場合:
winnt /ox

Windows NT Workstation または Windows NT Serverの場合:
winnt32 /ox

今回、ディスク作成はWindows 2000でやってみたが、winnt32.exeは問題なく動いた。ということでこのツールを使うことにする。しかし、Parallelsで使う場合は下準備が必要だ。

Parallelsフロッピーディスクのイメージ作成

Parallels Desktop 8 for Macフロッピーディスクのイメージファイルを扱えるのだが、これを管理するツールが付属していないので手動でファイルを準備する。Windows NT 4.0 Workstationのセットアップフロッピーディスクは3枚組なので、まずは空っぽのイメージファイルを3つ用意しないといけない。

フロッピーディスク イメージファイルのコピー

まずParallelsを終了させておき、Finderからディスクを作成する作業用Windowsのイメージファイルを右クリックして「パッケージの内容を表示」する。

今回はWindows2000上で作るので、このイメージを選択。内容を表示したら、中にあるfloppy.fddを「複製」する。

複製は2回繰り返し、3コのイメージファイルを作っておく。

そして、これに適当な名前を付けておく。ここではfloppy2.fddとfloppy3.fddを追加した。

フロッピーディスクの初期化

Parallelsを起動し、Windows 2000のイメージを起動する。まずそれぞれのフロッピーディスク イメージファイルを初期化しておく。[デバイス]→[フロッピーディスク]→[イメージの接続]から、先ほど作ったfddファイルを順に選んで、フォーマットしておく。

フォーマットは、コマンドプロンプトからformatコマンドで実行できる。

C:\>format a:

これをfloppy.fdd、floppy2.fdd、floppy3.fddの3つに実行。

フロッピーの作成

前述の通り、CD-ROMドライブ内のwinnt32.exeを利用する。CD-ROMドライブがDドライブならば以下のようにコマンドプロンプトから実行する。

C:\>d:
D:\>cd i386
D:\>winnt32 /ox

あとはダイアログに従って3枚のディスクを作れば良い。ディスクを入れ替えろと出たら、メニューの[デバイス]→[フロッピーディスク]→[イメージの接続]で操作する。ちなみに最初にDisk#3、次にDisk#2、と逆順に作っていくので、ファイル名と一致させておいた方が後で分かりやすい。

作成が終わったら、このマシンはもう不要なのでシャットダウンしておく。

フロッピーイメージからの起動

Parallelsで新しい仮想マシンを作り、メディアとしてWindows NT 4.0のCD-ROMイメージ、そして先ほど作成したセットアップ フロッピー ディスク#1のイメージファイルをフロッピードライブに接続しておく。

そしてブート順序を、フロッピーディスクを一番上にしておく。

仮想PCを起動すると、仮想フロッピーディスクから起動が始まる。

あとは通常のWindows NT 4.0 Workstationのインストールなので、画面の指示に従うだけ。フロッピーを入れ替えろと言われたら、イメージの接続ファイルを変えれば良い。また、途中で規約同意のためにF8キーを押す必要があるけど、これはExposeに取られてしまうのでParallelsのメニューからF8を送信する。

Windows NT 4.0 Workstationの起動

ということで、無事インストール終了。

うわー、久しぶりだなぁ、この画面。ちなみにParallels Toolは対応していないので16色のまま。

Parallels Toolsのインストール

Parallels Desktop 8 for MacWindows NT 4.0をインストールすると、仮想VGAアダプタのドライバが対応していないため16色表示しかできない。これでは寂しいので、Parallels ToolsをインストールしてVideo Driverを入れたい。

残念ながらParallels 8は公式にはWindows NT 4.0をサポートしていないようで、メニューから直接Parallels Toolsをインストールすることは出来ない。しかし過去には対応していたはず……と探すと、Parallels Desktop 5のParallels Toolsのイメージが公式ページから落とせることに気が付いた。

http://kb.parallels.com/en/8539の中のprl-tools-other.isoをダウンロードして、仮想ディスクとして接続する。CD-ROMの中の\Drivers\Video\NT4 にビデオドライバがあるため、これをインストールすればHigh Color/True Color表示ができるようになる。